遺産分割協議に一部の相続人が反対
相続が開始したけれども、相続を受けるつもりがない相続人は、自分の相続分を譲渡することができます。
これを相続分の譲渡と言います。
もし、Aが死亡し、相続人として子B、C、D、Eの4人がいる場合に、遺産分割協議においてC、DはBがすべての財産を相続することに同意しているが、Eは反対している場合、遺産分割協議は全員が同意している必要がありますので、遺産分割協議は不成立となります。
このままですと、法定相続分のとおり、Aの相続財産をそれぞれ4分の1ずつ相続することになってしまいます。
しかし、遺産分割協議にE1人が反対したがために、Bが相続財産全てを相続することに同意しているC、Dの相続分についてもBが受け継ぐことができないのでは、妥当な解決にはならないことが多いでしょう。
そこで、C、DについてはBに自己の相続分を譲渡することにより、遺産分割協議が不成立であっても、C、Dの相続分をBに受け継がせることが可能です。
この場合、結局、Aの相続財産をB4分の3、E4分の1の割合で相続することができます。
遺産分割協議に一部の相続人のみが反対している場合でもあきらめないで下さい。