残る婚外子(非嫡出子)差別
相続・遺言・成年後見を中心に葛飾区、江戸川区地域密着で業務を行っております司法書士の古川です。
先日、たまたま読んだ毎日新聞の中で表題のような記事を見かけましたのでご紹介させていただきます。
婚外子(非嫡出子)の差別が依然残っているというお話です。
婚外子とは婚姻届けを出していない夫婦(戸籍上の婚姻をしていない夫婦)の間に生まれた子のことを言います。
婚外子のことを非嫡出子とも言います。
また、戸籍上の婚姻をしている夫婦の間に生まれた子を婚内子(嫡出子)と言います。
当事務所でよくご相談をいただく相続について言いますと、以前は民法により「非嫡出子の相続分は嫡出子の相続分の2分の1」と定められ、民法上、相続分について婚外子と婚内子を明確に区別しておりました。
しかし、平成25年9月4日に最高裁判所の判例にて、当該民法の規定は違憲であると判断されたことから、民法が改正され、平成25年9月5日以降に開始した相続については、「非嫡出子の相続分と嫡出子の相続分は同じ」となり、相続における非嫡出子と嫡出子の区別はなくなりました。
より詳しくお知りになりたい方は、以下の法務省HPをご覧ください。
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00143.html
今回の新聞の記事では、婚外子と婚内子の相続分は平等になりましたが、依然婚外子に対する差別が残っているというお話が載っておりました。
具体的に言いますと、まだ差別が残っていると考えられているのは「出生届」に関してです。
子の出生届の中には、非嫡出子であるか嫡出子であるかを記載する欄があります。
嫡出子と非嫡出子との間で相続分に関する区別が無くなった今、出生届に上記区別を記載させる必要はなく、このような区別を記載させることの廃止を求める動きが広がっているそうです。
なお、出生届に基づき作成される戸籍の続柄の記載についてですが、以前は嫡出子であれば「長男」、「長女」などと記載されるところ、非嫡出子に関しては単に「男」、「女」と記載され、戸籍を見ると嫡出子か非嫡出子であるかが一目でわかるようになってしまっておりました。
しかし、現在では非嫡出子であっても嫡出子同様「長男」、「長女」などと記載できるようになっており、仮に既に「男」、「女」などと記載されてしまっていても、本人又は母親から戸籍の「更正」や「再製」の手続きをとれば記載を直せるとのこと。
ただし、このことは十分には知られていないようですので、
是非とも認知されていただきたいところです。
以上、今回は気になる新聞記事のご紹介でした。
相続、遺言、成年後見等でお悩みの方は当事務所にご相談下さい。