高級住宅街は相続が大変? 増えている相続放棄
多くの方が「一度は住んでみたい」と高級住宅街に対して憧れを抱くことがあると思います。
しかし高級住宅街に住むことはいいことばかりあるわけではありません。高級住宅街に住むことにもそれなりの問題点があります。
その問題が顕著に表れるのが、相続時です。高級住宅街の不動産は評価額が高く、高額の税率がかかるため、伴って相続税も高くなります。
中には相続税を支払うために借金を背負うというケースもあるようです。
ここでは、高級住宅街の問題点、特に相続にかかわることに関してご紹介します。
高級住宅街の不動産は買い手を見つけるのが大変
高級住宅街は相続税が高くなるので相続するのも一苦労ですが、相続した後も大変です。
例えば、親が高級住宅街に不動産を持っていたとします。
親が亡くなり、いったんは相続したものの、高級住宅街に住む予定がないので売却しようと考えました。
しかし、ここで問題が発生します。高級住宅街の不動産には買い手が付きにくいという現実があるのです。
その理由としては、高級住宅街を購入するほどの資産を保有している人の数が少ない、というのがあります。
売却する不動産の価値が高ければ高いほど買い手は少なくなります。
高級住宅街の不動産の場合、土地だけであっても数億円するものがあり、一般の方では購入に借金をする必要があることがほとんどでしょう。
富裕層は借金せずに購入できるかもしれませんが、富裕層はすでに持ち家があるケースが多く、わざわざ不動産を買おうと考えません。
買い手が見つからないことで、高額の相続税を支払い相続したものの、その不動産を持て余すという結果に陥ってしまうのです
高級住宅街は住むだけも大変
買い手が見つからないのなら被相続人が住めばいいのではないかと考えてしまいますが、高級住宅街は生活するだけでも高額の費用がかかり大変です。
建物が老朽化した際の補修や、庭木の手入れや掃除など、建物や敷地面積が広ければ広いほど大きな手間がかかります。
専門業者に頼むにしても費用がかさみますし、高級住宅街は景観保持が義務付けられているケースが多くあるため、ほったらかしにしておくこともできません。
そのような維持費がある上に、土地評価額が高い高級住宅街は、自然と固定資産税の額も高くなります。
維持費や税金の支払いだけでいっぱいいっぱいということになってしまうことがあるのです。
高級住宅街の不動産を売却するための方法
高級住宅街の不動産は、売却することも、そこに住むことにもお金がかかるため、はじめから相続放棄をするという相続人もいらっしゃいます。
しかしせっかく親が残してくれた財産なのですから、なんとか役に立てたいものです。
そこで、買い手が見つかりにくい高級住宅街の不動産を売却しやすくするための方法をひとつご紹介します。
その方法は、土地を分譲することです。ある程度広い土地であったら、土地をいくつかに分割し、そのひとつひとつを売りに出します。
800㎡の土地であれば、200㎡ずつ、4区画程度に分割するといいでしょう。
ひとつひとつの土地の面積は小さくなりますが、その分、金額を引き下げることができるので、買い手が現れやすくなります。
ただし、高級住宅街には、ある程度の高級感を保つため地域ごとに最低敷地面積が規定されていることがあり、面積の広さによっては分譲できない場合もありますので注意してください。
敷地が広ければ、相続のときに「広大地の特例」という制度を適用することができる場合もあります。
この特例によって、土地の評価額を引き下げることが可能ですので、参考にしてみてください。