葛飾区、江戸川区の相続・遺言・成年後見なら新小岩の古川司法書士事務所

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遺言書の検認とは?必要なケースと手続きの方法を解説

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人が亡くなると、遺族が遺言書を発見することがあるかと思います。

自宅などで遺言書を発見したとき、封入してあることも多いですが、勝手に開封すると問題が起こる可能性があります。

遺言書を発見したら、まずは検認という手続きを受けなければなりません。

検認とはどのような手続きで、どのようなケースで必要になるのでしょうか?

今回は遺言書の検認手続きについて解説します。

1.遺言書の検認とは?

遺言書の検認と言われても、聞いたことがないと感じる方が多いでしょう。

検認とは、遺言書の状態を家庭裁判所で確認してもらうための手続きです。

遺言書を発見したとき、その後に相続人やその他の第三者の手によって隠匿されたり変造されたりしないように、状態を保全する必要があります。

そこで、家庭裁判所で検認を受けることにより、そのときの状態を保存して、その後の隠匿や変造を防ぐことができます。

遺言書を発見したとき、封入されていることが多いですが、封入された遺言書を勝手に開封すると罰則があります。

具体的には、5万円以下の過料が課されるおそれがあります。

親などが亡くなって自宅や事業所などで遺言書を発見したら、勝手に開封するのではなく、早めに家庭裁判所で遺言書の検認を受ける必要があります。

2.検認が必要な遺言書の種類

遺言書には、自筆証書遺言と公正証書遺言、秘密証書遺言などの種類がありますが、この中で検認が必要な遺言書はどのタイプの遺言書なのでしょうか?

まず、遺言書の種類を確認しましょう。

遺言書には、特別方式遺言と普通方式遺言があります。

特別方式遺言とは、遺言者の生命に危機が迫っているような特殊事情がある場合に認められる特別な方式の遺言のことです。

これに対し、普通方式遺言とは、一般的なケースで作成される遺言です。

普通方式遺言には、自筆証書遺言と公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。

そして、特別方式遺言の場合には、検認が必要になります。

普通方式遺言の場合、自筆証書遺言と秘密証書遺言の場合には、検認が必要です。

これに対し、公正証書遺言の場合には検認は不要となります。

そこで、被相続人の死亡後に遺言書が見つかったとき、それが自筆証書遺言や秘密証書遺言なら開封前に家庭裁判所に検認を申し立てる必要がありますが、公正証書遺言の場合にはそのような手続きは不要です。

これは、公正証書遺言の場合、公証役場に遺言書の原本が保管されているので、検認を受けなくても遺言書の隠匿毀損や変造などのおそれがないからです。

3.検認の方法

PAK58_kiokuyorikiroku_TP_V次に、遺言書の検認をするための手続きをご説明します。

(1)検認の申立方法

まず、検認申立先の家庭裁判所は、被相続人の最終の住所地を管轄する家庭裁判所です。

検認申立を行うときには、検認申立書を作成する他、以下のような書類が必要です。

  • 遺言者が生まれてから死亡するまでのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
  • 相続人全員分の戸籍謄本
  • 遺言者の子どもや代襲者が死亡している場合、その子どもや代襲者が生まれてから死亡するまでのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

その他、ケースによって以下のような書類が必要になることもあります。

  • 遺言者の親や祖父母の死亡の記載がある戸籍謄本
  • 遺言者の父母が生まれてから死亡するまでのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
  • 遺言者の兄弟姉妹の生まれてから死亡するまでのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

検認申立を行う場合には、遺言書1通について800円分の収入印紙が必要となり、連絡用の郵便切手も必要です。

郵便切手の内訳や金額は家庭裁判所によって異なるので、申立前に個別に確認しましょう。

(2)検認の進み方

検認を申し立てると、家庭裁判所から検認手続きを行う日にちの通知書が届きます。

この通知書は、すべての相続人宛に送られています。

当日家庭裁判所に行くと、出席した相続人の立ち会いのもとに、遺言書を開封して遺言書の状態を確認します。

検認が終わると、遺言書に検認済証明書をつけてもらうことができます。

検認済証明書がついた遺言書があると、その遺言書を使って不動産の登記などの相続手続きができます。

4.検認すると遺言書は有効になるのか?

遺言書の検認と遺言書の有効性については、勘違いが多く起こるところです。

一般に、検認を受けた遺言書が有効になると考えられていることが多いです。

しかし、検認と遺言書の有効性には関係がありません。

検認を受けても遺言書が有効になるというわけではなく、検認を受けた遺言書が無効であることもあります。

また、検認を受けていない遺言書であっても有効である可能性があります。

さらに、検認を受ける前に開封してしまった遺言書であっても、有効なものである可能性はあります。

よく、他の相続人から「検認を受けたから、この遺言書は有効」と主張されたり、反対に「検認を受けていないから遺言書は無効」などと主張したりして相続人らが争いになることがありますが、このような争いは意味の無いことだということになります。

まとめ

遺言書の検認については以上の通りですが、今回の記事を参考にして、遺言書の検認について正しく理解してスムーズに相続手続きをすすめましょう。

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